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読書の記録

佐藤友哉「1000の小説とバックベアード」

1000の小説とバックベアード1000の小説とバックベアード
佐藤 友哉

新潮社 2007-03
asin:4104525022

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 小説家と似て非なる職業「片説家」をしていた木原は誕生日なのに解雇されてしまう。それは彼が運命に組み入れられた日となった…。
 最初こそはとっつきにくかったものの、小説を愛する人…とくに一度でも自分で小説を書こうと思ったことのある人間にはしみる描写が目白押しで、痛痒くも面白かった。
 過剰なリピート文体とか(まあそのあれだ、西尾維新の小説によくある言葉遊びのようなアレ)が鼻についたりもするし世界の村上春樹風味(どこかぼんやりな男性主人公がいつの間にか巨大な陰謀に巻き込まれ、達観した女性に導かれていくetc.)だなあとも思うが、小説に関するあれこれはとても楽しいのでジャスパー・フォード文学刑事サーズデイ・ネクスト」シリーズや筒井康隆「方舟ベラス・レトラス」等が好きな向きにオススメしたい。
 現代的で粋な会話も見所だろう。