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読書の記録

伊坂幸太郎「フィッシュストーリー」

フィッシュストーリーフィッシュストーリー
伊坂 幸太郎

新潮社 2007-01-30
asin:4104596027

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 全てがつながりあっている、伊坂ワールド全開の短編集。ああもう、私の衰えた記憶力ではダレが誰だか思い出せない。一応、刊行された単行本は全部読んでいるのだけど。もう手元にない本もあるから確認出来ないな。どなたか検証してみてください。
 そんな裏設定を知らずとも、読んでいてふつうに面白かった。やさしくてポップで、でも口当たりの良さに油断しているとガツンとショックなサプライズもあったりして。実に凝っている。

「動物園のエンジン」檻の前で寝ている男は動物園のエンジンだった!シュールでいて、物悲しい。日常の謎系ミステリーとして読むことも出来るが、真相を看破出来る読者は少ないだろう。(登場人物:河原崎、恩田ほか)

サクリファイス」田舎の奇妙な風習。珍しくストレートな展開。ちょっぴり諸星大二郎ちっくで味わい深い。(黒澤、柿本ほか)

「フィッシュストーリー」時空をこえてつながる人と物語。古川日出男のオハコだが、本作もイカシてる。。(瀬川、麻美ほか)

「ポテチ」人のいい泥棒の悩みとは。悩みが晴れるのはなんてことない日常に潜むかすかな煌めきなのかもしれない、そんなことを思う。(黒澤、大西、尾崎、中村、今村ほか)