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読書の記録

島田荘司「犬坊里美の冒険」

犬坊里美の冒険
島田 荘司著
光文社 (2006.10)
ISBN:4334076408
価格 : \1,100

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司法修士生として実習を始めた里美が最初に手掛けるのは腐乱死体消失事件だった?里美を主人公とする新シリーズ。

私の中では里美は御手洗シリーズに降ってわいた不純物、ああもうアンタの舌ったらずなベシャリを聞いてると頭痛くなるわ!とアンチだったのだが、彼女をヒロインとした新シリーズゆえ読んでみた。案の定、この娘仕事の場にはミニスカ穿いていくは、目上にもタメ口だわ語尾のばすわ、そのくせ自己イメージが低くてしきりにくよくよするし大変イライラさせてくれるのだが、その純粋さと熱意だけはアンチの私でも認めざるを得なかった。

シリーズ続巻が出たら一応読むと思う。ミステリー的には一発ネタなのだが、キャラクター描写の味わいで飽きさせない。ぱーぷりん探偵の駆け出し事件簿としては
第一印象が悪すぎるぶん著しい成長を感じさせ、カタルシスのある物語となっている。

p.s.里美がミニスカばかり穿く理由や、しゃべりがバカっぽい理由も一応記されているが、やはり甘ったれているようにしか見えないんだなあ。あと社会常識を知らなすぎ。目上の人の話に対して「ふうん、そうなんだー」と相づちを打つのを里美はサービスだと思っているフシがあるんだが、それ無礼ですから。もう27歳とけして若くはないのだし、返事に「うん」を多用するのもやめた方が良いよ。

ちょっぴりこれとシンクロニシティ
六とん〈2〉
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