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読書の記録

梶尾真治「つばき、時跳び」

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幽霊が出るという百椿庵に住んだ男が体験するミラクル。

著者お得意のタイムスリップ恋愛ものである。だがこれが、よくある話ながらもすごい感動ものなんだな。いかにもベタだとわかっていながら、ツボをつかれて感動してしまう。カジシン恐るべし。
親の対応があれでは済まないだろう、とかツッコミどころもあるけれどね。ラストの爽快さを魅力ととりたい。

p.s.二人の初々しさには心洗われるようだなあ。このごろ、すぐに獣のごとくむさぼりあうイマドキの恋愛小説にげんなり食傷気味なので、この小説のような或る意味ママゴトのようにぎこちない恋愛が胸にしみたのかもしれない。