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読書の記録

折原一「行方不明者」

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街の名士一家四人が失踪した。
先行する名士一家惨殺事件との関連は?
女性ライターが体当たり取材をするうち陰惨な現実が浮かび上がる。


いつもの折原作品らしい騙しの仕掛けに富んだ
「〜〜者」シリーズの一冊。
身構えて読んでも目眩まされ、パズルのピースがパチリとはまる様は
圧巻で、この作家ならではの味わいだろう。


私事になるが私は六年勤めた仕事先からリストラされそうになって
いて、明らかに窓際処遇で本書を読んでいたために、
頭の働きが鈍っていて困った。
誰かも定かでない人物の語りが複数入り乱れつつ進行しつゆくのだから、
クリアな頭脳で読まないとこんがらがってしまうのだ。
余裕のある状況で愉しみたい本といえよう。