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読書の記録

メアリー・ローチ 「霊魂だけが知っている」

霊魂だけが知っている
メアリー・ローチ著 / 殿村 直子訳
日本放送出版協会 (2006.6)
ISBN:414081117X
価格 : \2,100

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死後、私たちは一体どうなってしまうのか?
科学の目から転生、霊魂のあれこれを体当たり取材する
ブラックユーモアたっぷりのルポ。


「死体はみんな生きている」がむちゃくちゃ面白かったので、
オカルトやスピリチュアル方面が苦手な私だが本書に手を出してみた。


テーマがぼんやりとして正解が未だ出されていない死後のこと
だけあって、現実よりだった「死体〜」ほどのキレは感じられない。
それでも精液のあれこれや霊媒のインチキ例、
電磁波や超低周波が脳に与える影響などたいへん興味深く読んだ。



著者の賢いところは事実をありのままに記録しつつも
拙速に結論に飛びつかず、意見は述べるがあくまでそれは推論で
あって結論は保留、というスタンスを貫くところだろうか。


現状の証拠だけではいると断言出来ないし、
いないと言い切れば肯定派を傷つける。
だが著者のように科学信仰、だけど中立派というスタンスを崩さ
なければ、否定派・肯定派両者の面子をつぶさず面白いルポが
出来上がるというわけだ。


次回作は一体何を斬ってくれるのか楽しみにしたい。