読書日記PNU屋

読書の記録

牧野修「月光とアムネジア」

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その中では三時間ごとに記憶を失ってしまう<レーテ>現象。
そこへ逃げ込んだ殺し屋を捕らえるため、
元刑事の他山はレーテに踏み込むが。


いつもながらの奇想煌めく奇怪な世界が炸裂して愉しい。
かなりグロな生き物も登場して惹きつけられた。
殺し屋・月光夜の或る性質ゆえにミステリーとしての魅力もあり、
反則的存在の不死の戦士などバトルアクションとしても面白い。


私としては一番好感の持てるあの人物がとった選択には
感心しないのだが、ハッピーともアンハッピーともつかない
煙って湿ったラストには打たれた。


p.s.レーテは死したのちそこをくぐると記憶を失うレテ川から
来てると思う。
そしてカバー画はなんと鬼才・ヒロモト森一
この方にゆずす兵とかの挿画を描いてほしかったなぁ。