読書日記PNU屋

読書の記録

福澤徹三「ピースサイン」

ピースサイン」「う男」「夏の収束」「憑かれたひと」
「帰郷」「狂界」「真実の鏡」を収録する短編集。


表題作こそは主婦が主人公だが、あとは社畜としてこき使われる男や
希望も見つからぬまま借金をズルズル重ねてしまう男など、
なんともうらぶれたしょっぱい登場人物目白押しである。


装丁から想像するようなストレートなホラーではなくして、
起きる怪奇現象よりも生きた人間、
自堕落に腐りきった人間の方が恐ろしいと思えるほどだ。


もう若いとは言えない年齢・借金・失職・冷えた男女の仲など
一冊の中に似通った設定の話が何度も出て来るのにちと食傷した。