読書日記PNU屋

読書の記録

「川に死体のある風景」

川に死体のある風景
歌野 晶午著 / 黒田 研二著 / 大倉 崇裕著 / 佳多山 大地著 / 綾辻 行人著 / 有栖川 有栖著 / e‐NOVELS編
東京創元社 (2006.5)
ISBN:4488012159
価格 : \1,890

Amazonで見る


e-NOVELS編の川をテーマにしたミステリー作品集。
作品に時として実在の川が出てくるのがミソ。


歌野晶午「玉川上死」
川を死体が流れているとの通報で駆けつけた刑事が見たものは。
展開のサプライズも素敵だし、短編ながらキャラ立ちも見事!


黒田研二「水底の連鎖」
川の底から見つかった車には、死体が乗っていた。
冒頭部分がとてもエキサイティング。


大倉崇裕「捜索者」
過去の夢に悩む山岳警備隊員。
著者も書いておられるようにどちらかというと山ミス?
しかし、これって実行可能なのかしら。


佳多山大地「この世でいちばん珍しい水死人」
いきなり叔父を探せと命じられ、コロンビアに旅立った大学生だが。
舞台がコロンビアということもあって本作に出て来る川は架空のものだとか。
世界中を舞台としての、続編もありそう。
これが創作デビューとは信じられぬ読みやすさ。


綾辻行人「悪霊憑き」
悪霊憑きの女性を除霊するという。作家はその場に立ち会うが…。
う〜ん、オカルティック・ミステリーは苦手なのだ。
ホラーと銘打たれていれば読む前に心の準備が出来るから良いのだが、
こういうリアル寄りの作品集にいきなり混じっていると戸惑ってしまう。
後書きの構想はすごく面白いのにねぇ。
ホラーならホラーでもいいのだが(本作も偶然が多用されているとはいえ、
着想自体はなかなか面白い)、最近暗黒館といいびっくり館といい、
オカルト方面に傾いた作品が多くて、現実に立脚したミステリーのファンと
しては不安&心配。


有栖川有栖「桜川のオフィーリア」
幼き者が川にて変死した。
あのシリーズの人気探偵が出てきてわくわく!
どちらのシリーズかは読んでのお楽しみ。