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読書の記録

怪談之怪「怪談の学校」

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新耳袋新耳袋〈第1夜〉現代百物語
の編著者である木原浩勝・中山市朗と京極夏彦東雅夫らが
怪談のキモを語る本。

 
「怪談之怪之怪談」怪談之怪之怪談2003.7
に続く怪談系シリーズの2冊目だそう。
怪談はいかに創作の味付けで怖くなりうるのか、名うての怪談名人が
その秘訣を明かしてくれる。
 

私はウブすぎて「新耳袋」の怪談が書かれたままの事実に違いない!
と思いこんでいたのだけれど、本書によりあれらはあくまでも事実を
基にした創作…いわば尾ひれのついたうわさ話のようなものだという
ことが明らかになり、ちょっと寂しい気持ちになった。
そう、「徒然草」の時代から鬼なんていなかったのだ。
現代にいるはずなんてないのだ。
まあそれでも、怪談をホラー・ショート・ショートのエンターテインメント
として読む愉しみは、まだ遺されている。
 

投稿作品の添削(というより改作?)もついていて、怪談作家を
目指す人には到れりつくせり。ただ思ったのが、「新耳袋」ではあんなに
ゾクゾクさせてもらったのに、シロウト投稿怪談って全然怖くないんだなぁ。
私の経験だと案外ネットに流布している作者不詳の怪談に秀作があったり
するから、単に投稿作品に怖い作品が集まらなかっただけかもしれないが。
「井戸の番」は物語的に設定がよく出来ていて面白かった。
 

創作の際、ぜひとも読んでおくべき怪談名作リストも付いていてお役立ち。