ビル・バス& ジョン・ジェファーソン「実録死体農場」
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おそらく世界初の死体現象を研究する法人類学実験施設を創設し、
犯罪捜査に協力し続けて来たバス博士の半生を綴るノンフィクション。
一般向け法医学書がいつもそうであるように、とてもエキサイティングな一冊。
バス博士の抑えたユーモア精神で、酸鼻極まる現場もさらりと
済ましてゆくところなどは、死体をテーマにした傑作本
メアリー・ローチ「死体はみんな生きている」2005.1
を思わせる痛快さ。
教育者でもあられるので、教え子さんとの絆も素晴らしく、
学生の性質をよく知る者でなければ書けない粋なフレーズもあり。
奥様とのことも笑わせたのち、泣かせる。
実は本書で語られる施設、パトリシア・コーンウェルの検死官シリーズの
モデルになったのだそうだ。なるほどコーンウェルが序文を寄せているわけだ。
検死官シリーズは二、三冊読んで飽きてしまい、読むのをやめていたのだが、
本書があまりに面白かったので、作中でどのように扱われているのか気になり
読みたくなってきた。
せいぜい「死体農場」までは読まないとな。