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読書の記録

石井宏「チョッちゃん」

チョッちゃんチョッちゃん
石井 宏

草思社 2005-10
asin:4794214464

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 毛が抜け、みすぼらしくやせさらばえたメスの野良犬。どうやら彼女には、子犬がいるらしいのだが?動物好きの一家が、野良だった母犬と心通わせた感動のノンフィクション。
 
 私はどうやら意地っ張りというか天の邪鬼なところがあって、世間が‘感動’とか‘泣ける’などと言うとわざとそういうたぐいの本は読まぬよう避けてきたのだった。なのになぜこのベストセラーの感動本を手に取ったかと言えば、私がそういう性質をも凌駕する程の犬好きだったからに他ならない。 
 表紙カバーの写真で、仲良さげに寄り添う二匹の老犬。それに惹きつけられ、手に取ったのが年貢の納め時、事実に基づいて書かれた本書は、私の感動のツボを押しまくる1冊であった。
 犬の親子の情愛が人間のものと変わらず、尊く素晴らしいものであると知った。
 そして種を超えて、生き物が信頼しあえるということも。
 何を言ってもチョッちゃんの奇跡の行動という事実の前には嘘臭くなってしまう。動物好きな人であれば、ぜひ一読してみてほしい。
 血統書付きの流行りの犬種のみをありがたがる人もいるが、チョッちゃん(柴犬ということになっているが、実際は柴系雑種ではないかと想像する)雑種であるから一等落ちるなんて考えは愚かだ。チョッちゃんは元ノラであってもかくも賢く、素晴らしい犬なのだから。

p.s.犬の話だけではなく、捨て猫を救うお話&可愛い猫写真も載っているので猫派な人にもおすすめ!