鳥飼否宇「激走 福岡国際マラソン 42.195キロの謎」
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北京オリンピックの選考会を兼ねたFマラソン。
走者はそれぞれの思惑をかかえて走るが、事件が起こり…。
マラソン・ミステリー小説と言えば
歌野晶午「ジェシカが駆け抜けた七年間について」
2004.2
をまず思い浮かべるが、
本作はというとマラソンにはじまりマラソンに終わる
…マラソン尽くし、である。
それぞれの走者の思惑がぶつかり合って楽しいのだが、
読後どこか物足りないのは長編で引っ張るには
(…考えようによってはとてもヘヴィーなのだが、読者にとっては)
真相がライトに感じられてしまうせいかもしれない。
ほんとに走っている人がつぶやいているかのような、
はずむ文体は工夫が感じられて面白かった。