読書日記PNU屋

読書の記録

2005、SF・ホラー・ファンタシィBEST


SF、ホラー、ファンタジーを乱暴にひとくくりにして
お気に入り順位を付けてみようというこころみ。
ベスト企画のやりすぎで私も疲れて来たし、読んでくださる方も
たいへんであろうので、ここから1作家のランクインは1作品にしてみる。


●1位 井上雅彦「燦めく闇」

オンライン書店ビーケーワン:燦めく闇2005.3

堂々、1位。怪奇幻想短編集だが、妖しく美しくおぞましくて、
ラージャンルランキングを作るならば1位はこれしかないと
思っていた。モノクロ−ムの美を感じる黒ずくめの装丁も素敵。




●2位 佐藤憲胤「サージウスの死神」

オンライン書店ビーケーワン:サージウスの死神2005.5

これほどまでになまなましき超常能力描写を見たのは、
ホラー・フリークの私にも久しぶりである。
これがデビュー作とはおそるべき才能。




●3位 牧野修「蠅の女」

オンライン書店ビーケーワン:蠅の女2004.12

牧野作品では、同じくホラーの「記憶の食卓」オンライン書店ビーケーワン:記憶の食卓2005.9
にも痺れたが、隙の無さと容赦無さきわだつこちらを推し。



●4位 平山瑞穂「ラス・マンチャス通信」

オンライン書店ビーケーワン:ラス・マンチャス通信2004.12

主人公の彷徨やるせない1冊。ぎっしり詰まった“やばげ”な
怪奇にもうクラクラ!




●5位 南條竹則「魔法探偵」

オンライン書店ビーケーワン:魔法探偵2004.12

ほのぼのファンタジー系かと思いきや、あなどれない妖異が
味わえて楽しい。水木しげる好きにオススメ。




●6位 朱川湊人「花まんま」

オンライン書店ビーケーワン:花まんま2005.4

祝・直木賞受賞。「三丁目の夕日」系、懐かしホラー。
同系列の「かたみ歌」オンライン書店ビーケーワン:かたみ歌2005.8
も良かったがインパクトでこちらをランクイン。
とは言いつつ、私のベスト朱川は「都市伝説セピア」収録の「昨日公園」
だったりするのだが。




●7位 高橋克彦「鬼 弓削是雄全集」

オンライン書店ビーケーワン:鬼2005.8

文庫に書き下ろしを加えて出された、豪華愛蔵版。
時代物とはいえ、破格に読みやすい。なごめるシリーズは良い。





●8位 諸星大二郎「キョウコのキョウは恐怖の恐」

オンライン書店ビーケーワン:キョウコのキョウは恐怖の恐2004.11

あの偉大なる漫画家が小説を出した!ということで、現と幻いり混じる
感覚がナイスな短編集。
漫画の形で読みたい気持ちがあることは、否定出来ない。
漫画を描くことはものすごく手間ヒマ体力を費やす作業なので、
その奇想を小説という形でも読めることがファンには
うれしい。小説よりも漫画で読みたい気持ちがないではないが、
最近体調がすぐれぬという噂の氏でもあるし、漫画を描く労力を
思うと、小説でも表現していただけるだけでもありがたいことである。





●9位 西尾維新「ニンギョウがニンギョウ」

オンライン書店ビーケーワン:ニンギョウがニンギョウ2005.9

作風をガラリと変えた作品だが、私は好きなのよね。
女の足を吸うのは感心せんが。
4位にあげた「ラス・マンチャス通信」などに近いものが
あるかもしれない。それゆえに荒木飛呂彦の漫画「JOJO」
っぽすぎる「新本格魔法少女りすか2」オンライン書店ビーケーワン:新本格魔法少女りすか 22005.3
をおさえてランクイン。





●10位 飛鳥部勝則「鏡陥穽」

オンライン書店ビーケーワン:鏡陥穽2005.7

ぐちゃぐちゃでどろどろの変態ホラー。
ここまでエスカレートするとすごいね。著者はミステリーよりも
ホラー向きなのかもしれないと思ってしまうほど。
絵の使われ方がまたよい。