文学2005面白本
これもまた、私が読んでいない作品の中に宝が埋もれているやも
しれず、あらためてランキングの意味ってなに?とか
文学と小説の違いってなに?などと答の出ない疑問におちいっちゃい
そうですのでSF・ホラー、ミステリーなどにジャンル分けしがたい
作品は全て「文学」と乱暴にくくらせていただきます。
ベスト10に選んだ以外で面白かった本をご紹介。
〜ランク外の面白作品
★町田康「告白」
2005.3
さまざまな書評サイトでBEST入りしているので敢えて
私のベスト10からは外したが、実に重厚な迫力のある小説。
事実をもとにしないでも全き創作で良かったような気もするが…。
★川上弘美「古道具 中野商店」
2005.4
女の性と人生を、いやらしくなく自然体で綴る作品。
川上節のトリコになった1冊。
★ヒキタクニオ「角」
2005.10
世間の評価もなんのその、私的ひいき作品。
ひょうひょうとした、どこか水木しげるチックなヒロインが
実に癒し系なのであった。
★長嶋有「泣かない女はいない」
2005.3
カバー裏小説は、買った人への特典らしい。
日常の流れゆくぼんやり感を、文章にうつしとったその手腕に拍手。
★奥田英朗「サウスバウンド」
2005.6
コミカルで楽しい、親子賛歌。後半はやや納得いかないところも
あるのだけれど、子供じみた父&大人びた子供のコンビが面白い。
★重松清「きみの友だち」
2005.10
重松小説って、ベタでクサいしうそっぽいんだもん(@)!と受け付けなかった
私ですら、ついに否定しきれぬ傑作が出た。
ベストセラー「その日の前に」は(@)の理由で
どうもきれい事にしか思えなかったのだが、「きみの友だち」は純粋に
読むことを楽しんだ。ヒロインがおせっかいすぎるけれども、感動的なのは
間違いない。