海外オススメ本2005
ベスト10では紹介しきれなかったけれど、私が読んだ
数少ないフィクションの中ではこれらも忘れがたい印象を残した…
というものをあげてみたい。
★SFジャンル
面白いってのは、こういうことよ
山本弘・編「火星ノンストップ」
2005.7
編者の眼力ただものでないことがひしひしと感じられる。
現実に起こりえないからどうだというのか、この面白さはヤバい。
言い訳的細部の説明に終始して、力を失った物語たちよ、
本書のように原点回帰されんことを!
怪奇、怪奇!!
アヴラム・デイヴィッドスン「どんがらがん」
2005.10
わけのわからなさが癖になりそう。ああ、わからない。
でもむずがゆくも面白い。
★ファンタシィジャンル
老舗の魅力!
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ「わたしが幽霊だった時」「九年目の魔法」
やはりよいね〜。ハウル・ブームにのってどんどん出版されてほしい。
こんな、出来の悪いドラえもんみたいな叔父がほしい!
バリー・ユアグロー「ぼくの不思議なダドリーおじさん」
ユアグローの短編集にただよう悲しみを稚気におきかえたら、
こんなに可愛くなりましたという小説、かもしれない。
可愛い、可愛い魔法
ポール・ギャリコ「セシルの魔法の友だち」
2005.2
動物にときめく童心にかえる本。出来すぎではあるが、胸打つ作品。
寂しさが生んだ罪
アレックス・シアラー「スノードーム」
2005.1
主人公たる少年が疑い深くてあまり感情移入出来ないんだけど、
いろいろ考えさせられるなぁと。お子様に与えるにももってこい。
さて新作は…?
ダレン・シャン「デモナータ1幕 ロード・ロス」
2005.7
ダレン・シャンのシリーズが後半失速したので、今度の新
シリーズはどうかな。最初っからブラック・ジョーク全開、
グログロなのがたのもしい。ホラー色強めで刺激的な1冊。
★ミステリージャンル
スタンダードな面白さ
ジム・トンプスン「鬼警部アイアンサイド」
2005.5
TVドラマのノヴェライズだし、近年よくあるような事件では
あるけれども、やはりこの時代に書かれていたってのがすごいな。
ミステリアスな女を追って…男はぼんくら?
レイ・ブラッドベリ「さよなら、コンスタンス」
2005.9
シリーズ3作目なのにいきなり読んでしまった&私的に初ブラッドベリ
であったのだが面白かった。
なんともいえない作中のアトモスのとりこに。
★文学ジャンル
子供だって、傷つくんだぜ。
ジャクリーン・ウィルソン「シークレッツ」「ローラ*ローズ」
2005.7 2005.8
強さと弱さ併せ持つ子供。家庭に恵まれぬ子が生き抜く様子は
どうしようもなく感動的。
ピュアでデアボリックなひとりあそび。
ミッチ・カリン「タイドランド」
2004.11
過剰にグロテスク趣味なのはいかがなものか(私は好きだけど
ストーリー上ここまでする必要はあったんだろうか)と思うんだが、
環境に適応する子供の内面を見事にうつしとっている。