2005年海外ものベスト10
2004.10〜2005.10までの1年をふりかえって、
オススメ本を記してみたいと思う。
ランキングとは言っても母集団があまりに少なすぎるんで、
信憑性に欠けるわけだけど私という人間がこんな本を読み
面白いと思った、そんな記録であります。
翻訳物の読了本があまりに少ないので、ジャンルごったまぜ
(フィクション・オンリー)でいってみたいと思います。
母集団;奥付が上記の期間のものから選出。
無敵のドラゴン恋愛小説。登場人物は、全て龍。龍フェチの私には垂涎の1冊。
装丁からは想像もつかぬ正統派純愛物語なので、ファンタジーはちょっとね…
という向きにも強力PUSH!
藤子・F・不二雄の「モジャ公」「21エモン」が好きなら絶対オススメのSF。
ユーモアセンスが合えば爆笑、次から次へと襲い来る怪奇なシチュエーションに
ゾクゾクの1冊。
3 ヴァルター・メアス「キャプテン・ブルーベアの13と1/2の人生」
上中下の三部作だが、可愛い見かけを裏切る本格的なファンタジー。
奇想、奇想の連続に読み終えればはらはらのち、にっこり。
4 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ「魔空の森ヘックスウッド」
状況を理解するまでに時間がかかるのがやや難易度高いが、
世界がくつがえされる崩壊&解放感はさすがのウィン・ジョーンズマジック。
骨太なSFでもある、と思う。
5 パトリシア・ハイスミス「回転する世界の静止点」
かつて、これほど居心地の悪さについてあらわにした小説があったろうか。
まさに「珠玉の短編集」という言葉にふさわしい一冊。
圧倒的なリアルがせまり、素敵に気分の悪い小説だ。それが毒、なのか。
6 バリー・ユアグロー「ケータイ・ストーリーズ」
不思議と奇想天外と。
可愛くって不気味なナンセンス・ショート・ストーリーズ。
好みが分かれそうだが、私はこういうの好き。
たとえ合わなくても一篇が短いのですぐ読み終わるし。
7 デイヴィッド・イーリイ「大尉のいのしし狩り」
「ヨット・クラブ」の奇想に酔ったのでこちらも。
苦くダークな話が多いけれど、それを凌駕するだけのサプライズが待っている。
8 シオドア・スタージョン「ヴィーナス・プラスX」
古典的SFらしいのだが、ふだん濃厚にSFに接していない私には新鮮だった。
巷の評価が高い「輝く断片」は先の読めすぎる展開に退屈をおぼえたりもしたので、
長編のこちらを推し。
9 メアリ・ホフマン「ストラヴァガンザ 星の都」
2005.8
「仮面の都」に続く第2弾だが、少女漫画ちっくな夢見るストーリーが素晴らしい。
乙女ちっくなだけでなく、命がけの政権闘争も描かれているが。
’70〜80年代の少女漫画に、こういうダイナミックな物語があったよ
なぁと思った。
10 パトリシア・ハイスミス「目には見えない何か」
「回転する世界の静止点」に続いて出された短編集。
これも読み応えあり。
ダークな中に悲しく光る諦念が癖になる。