伊坂幸太郎「砂漠」
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仙台の大学生男女5人組と、恋愛と犯罪と世界と超能力のお話。
脇道かと思った話が本筋と深く関わったり、意外な人が意外な活躍を
したり…サプライズてんこもり、あらすじ紹介をしたくない本。
主人公は、クールな男子大学生・北村。「砂漠に雪を降らせる」
熱意があふれた1冊でもある。
読んでやられた!出だしこそは、西嶋のイタさについていけず
(読後の今でも、大統領男は赦せないと思うし)今回はどうも
合わないようだ…と不安を覚えたが、読み進むうちにそれは解消した。
起きるひとつの大きな悲劇。無数の小さな悲劇。
目の前の問題を見過ごさないことからとりあえず始めよう、
と西嶋は主張する。それは詭弁のように見えて正論、
正論のようでいて穴だらけ。彼が完璧主義であれば、
また傍若無人に過ぎれば反発を覚えるところだが、
ヘンでありつつもなぜかキモカッコよい西嶋に、全面的肯定では
ないにしろ好感を抱いてしまうのだった。
東堂、南、鳥井など他の大学生たちもキャラが立っており、
とくに莞爾の使い方など心憎いほど。
「オーデュボンの祈り」「アヒルと鴨のコインロッカー」などで
冷酷かつ邪悪な犯罪者を描いて来た著者が、今回提示した悪との
対峙方法は難しいがカタルシス満点で感動的。
p.s.ちょっと太めメガネの西嶋に、カ××ン×の×山氏を
思い浮かべてしまった。
再・追記…あ、そうか!あの言葉遣いは…竹山というより
×ンボ×スターのヴォーカルそのものじゃないか!!