読書日記PNU屋

読書の記録

ヒキタクニオ「角」

tuno


オンライン書店ビーケーワン:角2005.10光文社\1,785


一夜にして頭に角がはえてしまった校閲者の麻起子。
切るのも怖いし、どうしたものか…彼氏に相談するが信じてもらえず?!
 
ツカミ抜群!いきなり頭から鬼のような角を生やしてしまった
うら若き乙女の運命やいかに!である。
校閲・編集の、やや地味な世界を飽きさせず読ませるために
「角」という超自然的な物体を持ち込んだのかな?と最初こそは
邪推したが、同僚や小説家・編集者の濃くも憎めない人柄が
わかってくるうち角の設定も効いてきて、ぐいぐいとひきこまれた。
 
やや水木しげるテイストの、文学ちっくなラストもナイス。
どこかユーモラスなのに、そこはかとなくただよう悲しみがたまらない。

p.s.単行本の装丁もグッド。私は裏表紙の方が好きだな。