読書日記PNU屋

読書の記録

石田衣良「ぼくとひかりと園庭で」

 
オンライン書店ビーケーワン:ぼくとひかりと園庭で2005.11徳間書店\1,000


親友同士の園児、あさひとみずきの前にある日美しい転入生が
現れた。彼女の名は、ひかり。
 
子供のために書かれた、甘すぎず辛すぎずの
ジュブナイル・ファンタジー…とのことだが、なんなの
この世知辛さは。
なんともやるせない展開である。
成人の読者には「園丁」の存在が都合良く、
児童モノに特有な甘さが受け入れがたく思えてしまうし、
子供に読ませるには恐怖感が先立ちそうである。
恋の強さやときめきよりも、ホラーな部分が目立って
しまう気がするのね。なんとも意外な設定からオチまで、
いろいろと微妙だった1冊。

p.s.長野順子によるモノクロームの挿画は美しかった。