読書日記PNU屋

読書の記録

つまらないのは誰のせい?

そりゃないよ、作家さま。…と言いつつ…
この本は超・面白いです。
角田光代先生「この本が、世界に存在することに」。

オンライン書店ビーケーワン:この本が、世界に存在することに

タイトル通り、この本を出してくれてありがとう
と言いたい気持ちに。本好きならば泣きそうになるくらい、
共感しまくりの1冊ですてきなんですよね。

本書のあとがきにひっかかった私。

本には適齢期というか、理解できる年齢があるということを述べて
おられるのです。「星の王子さま」を例にあげて。

星の王子さま」は確かに、小さい子にはタイクツに感じられる
かもしれない。私も幼いころ良さが全くわからず、
いまだに読み返す気力もないくらいだし。

角田氏の意見はよくわかるのですよ。納得もいきますし。
本と読者には人同士のように相性があって、自分に合わない本を
他人は絶賛なんてこともよくあることです。


音楽の好みにも似てますよね。
自分が好きな音楽が、
他の人にはアクビが出るほどタイクツだったり、
ただの騒音にしか聞こえなかったりとか。

本って活字でわかりやすそうですが、センスやムード、文体など
案外読み手を選ぶのでしょうかね。


角田氏の本を読んで、なんでひっかかったんだろうと思ったら
これだった。



石田衣良先生「約束」

オンライン書店ビーケーワン:約束

こちらでも、小説と読者の相性についてあとがきで述べておられるん
ですが、要約すると「小説に出来不出来というか良し悪しはなく、
読者に届くか届かないかだけ」と言う意味のことをおっしゃって
たんですね。

私はこの小説がきれいごとにしか思えず、


あー私には届かないわぁ!!


と思ったし、出来不出来は明らかにあるだろうとも思ったのです。

だから、小説に対する意見が一見似ている角田氏のあとがきで
ピクッとなったのだなぁ、と自己分析を終了するのでした。