読書日記PNU屋

読書の記録

折原一「グッドバイ 叔父殺人事件」

オンライン書店ビーケーワン:グッドバイ2005.11原書房\1,995
 

叔父がネットの集団自殺に参加?
なぜか叔母は、叔父が殺されたのだと直感し甥に事件調査を命令する。
 
ネット自殺に参加した奇妙奇天烈な人々。なんとも怪しくもおかしな
折原ワールドにひきこまれてしまった。登場人物がみな癖があり、
どいつもこいつも喰えない人物なので、騙されまいぞ…と読んだのだが、
読み終えればやはり騙されていた。ひとつはわかったのだがな!
まあ、騙されたくて読むのだから本望なのだけど。
 
真相がわかってからもう一度読み返すと、挿話が別の様相を呈してくる
のが面白い。この‘世界が覆される’崩壊感を感じたくて、
私は折原ミステリーを読むのだろう。読む前から仕掛けを期待され、
身構えて読まれることはミステリーとしてたいへんなことと思うが、
このサプライズが続刊にもずっと続くことを願うのだった。 

p.s.オンライン書店ビーケーワン:偽りの館2004.9講談社\1,995
「偽りの館−叔母殺人事件」という作品もあるが、
続編というわけではないのでどちらから読んでも良いと思う。
ムードは類似したところがあり、親族殺人事件みたいなシリーズ化は
あるのだろうか、などと想像してしまう。