読書日記PNU屋

読書の記録

レイ・ブラッドベリ「さよなら、コンスタンス」

オンライン書店ビーケーワン:さよなら、コンスタンス2005.9文芸春秋\2,200 


作家クレイジーの家を、ある嵐の夜国民的女優コンスタンスが
訪ねてきた。彼女は奇妙な依頼を残したあと、失踪してしまう。
友人とコンスタンスの行方を追ううちに、死体がぞろぞろ発見され…。
 
うううむ、これはジャンル分けが意味をなさないエンター
テインメントだなぁ。殺人=サスペンスミステリーでは、ないし。
コメディ的要素有り、それでいてファンタジックでノスタルジックで。
面白いことは間違いないのだけど。
 
翻訳ものの宿命なのか、それとも私の頭脳の問題なのかわかりにくい
言い回しがそこここに見られ、ついていけるかどうか不安だったけれど、
次々出てくる奇妙な人々とコンスタンスの行方が気になって、
ぐいぐいとひきこまれた。
ピンチの中にもユーモアを忘れないムードが素敵。
 
ラスト、クレイジーと妻とのやりとりが大好き。愛を感じる。

p.s.私の読書初ブラッドベリだーい(初・長編)と思ってたら
これシリーズ3作目なのね。でも話は通じた。1,2作目も探して読まねば。
人物のおしゃれでどこか現実ばなれしたやり取りに、村上春樹作品にも
通じるムードを感じた。