あさのあつこ「No.6 #4」
2005.8講談社\998
ガールフレンドを助けようと、ネズミの力を借りる紫苑だが。
シリーズ1〜3ときて、急に4で私の評価が下がっているけど
面白さが損なわれているわけではない。いつもと同水準だと思う。
しかし、それにしても展開が遅すぎやしないか…
それは、同性愛と言うにはあまりに仄かな、
しかし友情というには濃すぎる紫苑とネズミの間柄を、
著者がじっくり描いておられるからではないだろうか。
そこら辺は、二次創作で妄想されるところのような気もするのだが…。
謎は解かれたわけでも深まったわけでもなく、続刊に持ち越されたもよう。
紫苑やイヌカシの意外な一面も垣間見えて(そのぶんネズミがしまらないが)
ファンには見所のたっぷりな1冊かもしれないが、ただ物語を愉しもうと
したとき展開のゆるやかさが気になるところ。
ネズミが気に入っているので続きも読むつもりだが、
次回はもう少し話が動くとよいなぁ…。