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読書の記録

川上弘美「東京日記 卵一個ぶんのお祝い。」

オンライン書店ビーケーワン:卵一個ぶんのお祝い。2005.9平凡社\1,260 


作家のファンタスティックな日常を綴るエッセイは、ちょっぴり
幻想風味。何気ない日常も、著者の手にかかればなんとも
ファンタジックに大変身。
たちのぼる不思議に読者はほわほわと包まれてしまうだろう。
 
乙一「小生物語」のように、現実と幻想のほどよいブレンド
ユーモアと優しさでで包み込んだこのような日記本が、私は大好きだ。 
あとがきによれば本書の4/5が真実とのこと、どこまで本当か
探りながら読むのもよいが、ただこのたゆたう文章に身をゆだねるが吉か。
 
著者には「椰子・椰子」なる嘘日記もあるそうで、そちらも
ぜひ読んでみたくなった。

p.s.装丁も素敵で、表紙の特殊紙のあたたかみは内容にぴったり。
心なごむ可愛い挿画もカラフルで、少し不思議な世界とマッチしているのだった。