読書日記PNU屋

読書の記録

有村朋美「プリズン・ガール」

 
オンライン書店ビーケーワン:プリズン・ガール2005.8ポプラ社\1,470


つきあった恋人がドラッグの大物ディーラーだったことから、
共犯とされアメリカの女子刑務所で22ヶ月を過ごすことになって
しまったうら若き著者のノンフィクション。 
女囚といえばレズってほんと?など長年の疑問が氷解する
…かもしれない。
 
日本の田舎に住む自分としては、アメリカのどこがそんなに
憧れなのかわからないし、彼氏がマフィアと知っても付き合うって
アリなの?など疑問も多々あるけれど、そこは個人個人の考えや
趣味嗜好の違いなのだろうな。 
日本と違って売店が品数豊富であったりなど、フリーなイメージの
あるアメリカ刑務所だが、そこはやはり刑務所、楽ではない。

胸打たれるのが、囚人同士の助け合い。ケンカを売ってくるような
困った輩もいるけれど、極限状況であっても他人のことを思いやる
のが人間、そこが感動的だった。 
そして、個性が強烈であり様々な事情のある女囚たちの半生物語は
迫力があった。 
著者の明るくタフな性格もあって、シリアスになりすぎず読むことが
出来た。興味本位で手にした人も、きっとアメリカ社会と犯罪について
考えさせられるに違いない1冊。