読書日記PNU屋

読書の記録

米澤穂信「犬はどこだ」

 
オンライン書店ビーケーワン:犬はどこだ2005.7東京創元社\1,680


故郷でひっそり犬探しを始めようと思った紺屋のもとに、
舞い込んで来たのは人捜し?探偵志望の助手も押しかけて来て、
どうなる探偵生活。
 
前半がコミカルでテンポよくすいすい読めて楽しい。
…後半のムードはがらりと変わり、それもまた良し。
 
押しかけ助手も可愛いし、面白いとは思うのだが
どこかひっかかるのが主人公の無気力さと、本書における“犬”の意味。
主人公は犬さがしをしようと考えるのだが、とくに犬好きなわけでも
なんでもないのだね。なぜ犬にこだわるのかが、
(過去に経験があるからという)一応の説明はあるがどうもピンと
来ないのだった。
 
準主役級であった助手クンが、後半脇役に引っ込むのもイタい。
…結局私は、この主役のやる気のないダークな青年が気に入らない
だけかもしれないので、主役が気にならなければ面白いと思う。

p.s.女性はいろいろたいへんなのね。サイト持ちさんは気を付けよう!