読書日記PNU屋

読書の記録

備瀬哲弘「精神科ER 緊急救命室」

 
オンライン書店ビーケーワン:精神科ER2005.8マキノ出版\1,575


自殺企図、昏迷状態…精神科に運ばれてくる救急患者との関わりを
通して、人生を見つめてゆくノンフィクション。
 
治療を要する人からそうではない人まで、症状が病変という
目に見えるカタチでは現れない精神科疾患ゆえに、医師の判断責任が
増大するのかもしれない。

本書は一般向けの啓蒙的読み物として書かれているので、
専門を目指す人には不足かもしれないが、精神科救急とはどんなところで、
どういう疾患を扱うのか…
そして精神科に初診で罹ると(または)を知りたい向きには
重宝な1冊であると思う。用語解説もコラムとして付いている。
 
個々のケースには哀切きわまるものあり、肝胆さむからしめるものあり、
また逆に心温まるものもあってまさに人生いろいろ、人間模様。
心打つ“ほんとう”のことがひりひりと書かれていた。

p.s.必ずしも、患者本人が治療に同意出来ぬところに
精神科診療の難しさを感じた…。