青井夏海「そして今はだれも」

2005.9双葉社\1,785

新任教師・笑子は名門高校に勤務が決まるが、何やらきな臭い
噂に巻き込まれていく。誰が卑劣な教師「Ｘ」なのか？
　
サスペンスフルなミステリー。生徒ひとりひとりのキャラが
あまり立っていなくて、ヒロイン笑子もなんだか地味なので
全体の印象がおとなしめではあるけれど、まとまりのある推理劇
だと思う。
　
第二職員室にいるという「Ｘ」は誰なのか、懸命に探ろうとする笑子に
感情移入出来れば一気読み。ただ、どうしても容疑者数が少ないので
そのようなことではないのかな…と予想のつくところへオチたのは
やや残念だ。推理クイズとしては楽しめるとは思うが。

ｐ．ｓ．私はアンチ煙草なので、作中で変人教師として扱われている
あるタバコ嫌いな教師のセリフにうなずけて仕方なかった。
あのヒトはさ〜、自己中心的な言動はあるかもしれないけれど、
案外まともな教師に思えてしまったよ？
私だったら、ヘヴィスモーカーの担任よりも彼が担任の方がよいな。