読書日記PNU屋

読書の記録

村山由佳「楽園のしっぽ」

オンライン書店ビーケーワン:楽園のしっぽ2005.7文芸春秋\1,300
 

自然豊かな生活を選んだ著者の、元気いっぱい&動物いっぱいな
エッセイ。
 

村山由佳といえば、直木賞受賞作「星々の船」や
人気ラノベ「おいしいコーヒーの入れ方」シリーズ、そして
十年を越えて読み継がれ、書き継がれる「天使の卵」などで
有名なわけだが、私はそのどれも良く言えばシリアスすぎて、
悪く言うのであればベタで作品世界についていけなかったのだった。
 
天使の梯子」以来しばらく読んでいなかったのだが、
馬の写真が表紙の本書に動物好きのハート射抜かれ手にとって
見たらばこれがツボ。
 
相方さんとのまるで夫婦漫才のようにユーモアあふれるやり取りや、
ウサギ・犬・猫・鶏・馬と可愛らしい動物たちのカラー写真も豊富で、
気持ちよく楽しいエッセイだ。夫婦仲良く、
そして自然と調和して生きる楽しさと苦労、馬との暮らし
(表紙の馬はイメージ写真かと思ったら、ご家族だった!)
などなどがまっすぐ快く書かれていて、すっかり好きになってしまった。

読者として贅沢を申し上げると、こんな明るく楽しいムードの小説も
読んでみたいのだけれど、ね。

p.s.大自然の暮らしは素敵だけれど、昆虫全般が苦手な私には
無理だろうなぁ…。