桐野夏生「The COOL!」
桐野夏生ファンムック。
ビブリオグラフィーからグラビアから盛りだくさんで楽しい。
対談企画、
オマージュ(角田光代、津原泰水、古川日出男など粋な作家ぞろい!)、
初公開短編など企画に力が入っていて読み応えあり。
批評家による作品論になると急に小難しくなってついていけなかったが。
ファン必携の本であろう。
各国で翻訳されたエドガー賞候補作「OUT」の表紙一覧が
日本の装丁そのままだったり、芸者ガールありで必見。
悔しくも面白いのが、定年後の濡れ落ち葉族である男の生活を淡々と
書くとある小説が、続きは近日公開…で終わってしまうところ。
うう、待ちきれない。なにげない日常であるはずなのに、このスリルは
どこから生まれて来るものなのだろうか。
創作小説がどれもパワフルで面白かった。
「COOL」と言いつつも、実はHOTな本である。
p.s.俗な話だが作家が表紙で着用しておられるコートの値段に
目が飛び出そうだった。