読書日記PNU屋

読書の記録

梶尾真治「波に座る男たち」

 
オンライン書店ビーケーワン:波に座る男たち2005.7講談社\1,785


調理師の麓は、借金からヤクザと縁が出来てしまい、なんと
捕鯨船に乗り込むはめに…。
 
冒頭こそシリアスで驚くが、コメディタッチのライトな作品。
タイトルでは「男たち」になっているが、約一名の強く美しき女性が
男性をしのいでの大活躍。いいね。
 
う〜ん、映画「ポリス・アカデミー」のごとき(エロ風味は無いけど)
はちゃめちゃで楽しい作品だけれど、よく読めば行きすぎた自然保護
(テロにうったえたりとか…)や、政治的圧力に屈する食文化への批判が
込められているのかもね。エコロジー思想も、立場によっては揺らいだり
みたいな。考え過ぎか。
 
偶然かもしれないけれど、主義主張と捕鯨反対派を一杯食わせるその手段が、
雁屋哲・原作、花咲アキラ・画の漫画「美味しんぼ」にそっくりなので、
私の評価はひかせてもらいました。面白かったのだけどねー。
私は別に食材としてクジラへの思い入れはなく、かえってクジラが賢くて
可愛いのなら食べなくてもいいんじゃないの?なんて思うくらいで捕鯨
対してどうこうとモノを述べるだけの知識はないのだけれど、単純に
エンタメとしての読み物ということであれば本書は面白かったというのが感想。

p.s伝説のスナイパー・源さんが良かったなぁ。いいとこ総取りで。