篠田真由美「すべてのものをひとつの夜が待つ」
杜夫は幼なじみの冬樹のおともとして、遺産相続のための試験に
参加することに。強引で勝手な冬樹にふりまわされつつも宝探しは
始まったが、そこで変死体が!これは連続殺人?
田舎の途方もない金持ちが所有する孤島の館、
外界と隔絶されたそこで濃い謎めいた面々が宝探し…という、
わくわくとさせられる設定ではあるが、私は主人公・モリの語りが
ややまだるっこしくてついていきがたかった…。
いつも思うのだが、伏線が丁寧すぎるのか、王道だからなのか、
途中で高率に犯人を予想出来てしまう。
それでも、モリと冬樹のひねくれた愛情には魅力を覚えた。
p.s.クライマックスの感情の揺さぶりは見事で、腐女子ならば
くらりと来てしまうかもしれない。男性は…どうなんだろうか???