佐藤憲胤「サージウスの死神」
2005.5講談社\1,470
デザイナーの華田は、ある時ビルから投身自殺する男と目があって
しまう。以来、彼の生活は一変した…。
初めて読む作家だが、これはたいしたものだ!
平山夢明・灰崎抗のような闇色に輝く作家、怪奇幻想小説が
好きならば見逃す手は無い1冊!!
五感に訴えかける超常能力の描写が映像的で総毛立った。
内容はというと、華田という男の範型2mの日常になるのだろうが、
悪夢のようなピースがちりばめられていて、飽きることがない。
エスカレートしていく暴力やスプラッタが
ドラッグ中毒者の幻想のごとくサイケデリックになっていったり、
生と死と人類の影なる歴史までにおわせたり、壮大ながらきちんと
着地するところが素敵だ。
新人とは思えぬ異様な迫力と上手さを感じた。次回作に期待大!