エルモア・レナード「ママ、大変、うちにコヨーテがいるよ!」
2005.7角川書店\1,680
コヨーテのアントワンは常々人間のペットになりさがった犬たちを
バカにしていたが、ある時ジャーマン・シェパードのバディと出会い、
人間の家で暮らしてみることに…。
野性味たっぷり(なにしろ、プードル犬やペルシャ猫を美味しそうだと
思うのだから!)のアントワンが、バディの指導を受けながら犬のふりを
するところが可笑しい。
全体としては、やはり児童モノを意識したつくりであると思う。
こういうことを言ってケチつけるのは野暮だが、たとえばペットを
コンテストに出すような家が、野良犬(本当はコヨーテ)をやすやすと
家に入れるとは思えない。野良はダニ・ノミをはじめ、様々な病気を
持っているかもしれないからだ。
そういうところが一度気になると釈然としないので…。
アントワンの妹・ラモーナにはもっと出番があっても良かったなぁ。
ラストのなんともいえない寂しさがしみる。