五十嵐貴久「2005年のロケット・ボーイズ」
2005.8双葉社\1,680
まるっきり文系人間の高校生が、「キューブサット」なるものの
設計図を、ロケットコンテストのために作らねばならず、人脈を駆使し
てそれらしいものをでっち上げる青春ストーリー。
理系青春モノというと、真っ先に思い浮かぶのが石田衣良
「アキハバラ@DEEP」だが、本書もこれに類する作品で、
凸凹仲間たちが苦労のあげくウルトラスーパーデラックスな何かを
創りあげるという過程は同じ。オチはもちろん異なるのだけど。
しかしこういうお話では、ヒロインは一名にかぎるのか。
前半に伏線を丁寧に貼りすぎなのか、この人物がのちのちこうなる
んじゃないの?ということが薄々だがよめてしまう。
意外性をそぐことになるので、そこが残念。
後半、なぜ彼らがそこまで意気込むのか、私にはさっぱり
わからなかったしなぁ…。
あとはギャグセンスの問題。笑い転げる人と、
私のようにこのギャグにはついていけない〜と思う人に
分かれるかもしれない。