読書日記PNU屋

読書の記録

田中芳樹「ラインの虜囚」

 
オンライン書店ビーケーワン:ラインの虜囚2005.7講談社\2,100


カナダ先住民とフランス人の混血児・コリンヌは父の死後
フランスへわたり、祖父に会いに行く。
しかし彼女に科せられたのは、双角獣の塔に幽閉されている人物が
誰か探れという難題で…。
 
素直なコリンヌが、頼れる仲間たちを探し出し、彼らとともに
難問にチャレンジするという田中版「三銃士」とでも言うのか、
胸のすくような冒険活劇である。
 
コリンヌを助ける三人の仲間が光っている。
とくに渋さではモントラシェ最高。実在の人物が、巧みに織り込まれて
いるところも興味をかきたてるつくり。
 
私は元ネタとなった作品を未読ゆえどこまでオマージュかはわからない
のだが、多少の都合良い展開はあるものの、
善を勧め悪を懲らす王道ストーリーを楽しんだ。
 
講談社ミステリーランドの1冊だが、毒は少なめなのでお子様にも
安心だろう。本書をステップに、「三銃士」などの海外の名作も
読みたくなってくる、読書案内にもなる1冊。

p.s.コリンヌはちょっとイイ子すぎて守られすぎというか、
おっさん三人に見せ場を持って行かれちゃったかもね…。