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読書の記録

恩田陸「酩酊混乱紀行『恐怖の報酬』日記」 

オンライン書店ビーケーワン:『恐怖の報酬』日記2005.4講談社\1,470


飛行機がめちゃめちゃ苦手な著者が、イギリスとアイルランドを旅する
ことに。小説家の頭の中身をうかがい知るには好適なエッセイ。
 
飛行機の苦手具合がすごい。
なにしろ、ヒコウキと言うのも恐ろしいくらいなのだ。
あの離陸のフワッと感が好きな私としては飛行機をそこまで怖いと
思うことがぴんとこないのだが、落ちることを想像すれば恐ろしいとは、
思う。
想像&創造力旺盛な、ナイーヴな小説家だからこそ、飛行機もとんでもなく
ホラーな乗り物になってしまうのだろう。
 
そして、小説家ならではの感性で綴られる出来事が楽しい。
私も自分が夢見がちである自信があったが、プロには負けた。
こんなに小説のタマゴやヒヨコが脳内でうろうろしてるもんなんですね。
すごいわっ。様々な音楽・映画・小説のうんちくもからめ、たいへんに
インタレクチュアルな、知的なエッセイとなっている。
私は、著者がてんぱるあまり幻に襲われる「かほぴょん」の
くだりがすごく笑えて好きだ。