読書日記PNU屋

読書の記録

2005-05-01から1ヶ月間の記事一覧

藤沢周「焦痕」

2005.2集英社\1,680はっきりしない記憶。うまくいかない人間関係。 若き不倫相手への嫉妬。体験したいと焦る若者。 訳にも立たぬ見栄をはる嘘つき男。なりたい職業になりきる哀れな男。 日常を脱ぎ捨てたい女性…。そんな等身大の人々がせめぎあう 「焦痕」「…

辻村深月「子どもたちは夜と遊ぶ」上・下

2005.5講談社\1,0402005.5講談社\1,103 狐塚孝太と木村浅葱は、留学のチャンスがかかった論文 コンテストでのライヴァル。しかし最優秀者は意外な結果に。 交差する想い、そして孤独から生み出された悲しい犯罪者が 夜を駆ける。 iとθとは何者なのか、そし…

パトリシア・ハイスミス「目には見えない何か」

2005.3河出書房新社\2,520「手持ちの鳥」「死ぬときに聞こえてくる音楽」「人間の最良の友」 「生まれながらの失敗者」「危ない趣味」「帰国者たち」 「目には見えない何か」「怒りっぽい二羽の鳩」「ゲームの行方」 「フィルに似た娘」「取引成立」「狂った…

瀬尾まいこ「優しい音楽」

2005.4双葉社\1,260ぼんやりのんびりとライトな短編3編を収録。 今、最も注目の作家と言われる小説家の本だが、いつもいつも 私とは合わないのだ…。合わないのに何故読むかと言えば流行りを 追いかけているからなのだが。この作家さんとは基本的な生きる上 …

化野燐「白澤 人工憑霊蠱猫 02」

白沢 022005.5講談社\924 妖怪の存在を信じ、利用しようとしているらしい有鬼派は、 手段を選ばず人命を犠牲にしたり、美袋学園の学生を 傀儡化するなど暴虐のかぎりを尽くしていた。 そこへおっとり刀で時実が駆けつけるが、事態は…。1作目は若さが目立…

いしいしんじ「白の鳥と黒の鳥」

2005.1角川書店\1,365 キッチュだったりホラーだったり、19編の様々な味わいの短編を収録。「ぶらんこ乗り」や「絵描きの植田さん」などの、 ハートウォーミングないしい作品を期待して読んだ人は、 本書のダークな色調にめんくらうのではないだろうか。 …

桑原真二/大野一興・著、ikko・絵「山古志村のマリと三匹の子犬」

2005.2文芸春秋\1,200子犬を産んだその日に、中越地震にみまわれてしまった 母犬・マリ。マリが2週間あまり人の手なしに生き抜いた 感動の実話を絵本にしたもの。子犬とマリの写真も収録。 売上げの一部が中越自身復興のために使われるという本書。 企画も…

鯨統一郎「タイムスリップ釈迦如来」

タイムスリップ釈迦如来2005.3講談社\840麓うららは親によって不良更正のためのダイビングスクール に入れられてしまう。そこでうららは、スクール主催者の 吉野とともに、古代インドにタイムスリップしてしまったのだ! 彼らが元に戻る条件は、仏教を世界宗…

有栖川有栖「モロッコ水晶の謎」

モロッコ水晶の謎2005.3講談社\903火村助教授&小説家アリスのコンビが難事件に挑む! 短編〜中編集。 「助教授の身代金」助教授が誘拐された! 別居中の妻が身代金の受け渡しに向かうが。奇妙な誘拐事件を 火村&アリスが考察。実に本格ミステリらしい、 理…

化野燐「蠱猫 人工憑霊蠱猫01」

蠱猫2005.3講談社\924義父の死により、美袋学園の跡取りである小夜子は地元に戻った。 妖怪を操る書物の封印を知らず解いてしまった小夜子は、 有鬼派・無鬼派の闘いの渦中へ…。 タイトルは「こねこ」と読むのだそう。うっかり「むしねこ」と 読んでしまって…

新堂冬樹「僕の行く道」

2005.2双葉社\1,365 小学生の大志は、パリにいるはずのお母さんが小豆島に いるかもしれないことを知り、ネコのミュウと共に旅することに。 少年がお母さんに会うためひとり (お友達であるところの動物は一緒だが)旅をする…と いうのはありふれた設定。だ…

市川拓司「弘海 息子が海に還る朝」

2005.2朝日新聞社\1,365 体が弱い息子、弘海を愛する父母。だが、弘海の体に 変化が起きつつあった。そしてそれは別れへの序章だった…。 ファンタジックな設定が生かされるのかな?と思ったのだが、 そうでもなかった…。弘海の肉体に起きるSF的変化は さほ…

井上雅彦「燦めく闇」

2005.3光文社\2,415 著者自選傑作集、なのである。「赤とグリーンの夜」「舞踏会、西へ」 「十月の映画館 」「鞍」「白い雪姫」「海の蝙蝠」「ボンボン」 「沈鐘」「クリープ・ショウ」「青頭巾の森」「化身遊戯」「火蜥蜴」 「北へ深夜特急」を収録。 なん…

テンプレ替えてみました。

今までキッチンテンプレが木目調で気に入っていたのだけど、 これだと画像リンクが青いフチ付きになってしまうので 変更してみました。 ちょっと派手かなぁ。またいろいろ合うものを選んでみよう…。

池井戸潤「銀行仕置人」

2005.2双葉社\1,575 黒部は営業第三部次長というエリート銀行員であったが、 上司たちにはめられて失脚してしまう。 閑職に追いやられた彼が、人事部の英部長の助力を得て、 単身銀行内部の腐敗を暴く仕置人となる! 著者お得意の銀行モノであるから、勢いも…

戸梶圭太「グルーヴ17」

2005.4新潮社\1,575 芸能科の高校生・悠伍はテクノ大好き、自分で作曲して しまうほどの音楽マニア。一方、同じ学校の普通科の 学生・隆弘と友樹はヤバそうな男に声をかけられ出会い パーティを開くことに。 音楽と性欲と生まれいずる悩みが暴発・炸裂する、…

真保裕一「灰色の北壁」

灰色の北壁2005.3講談社\1,575 山と男の硬派な物語、見参!3編の短編を収録。 「黒部の羆」黒部の羆と呼ばれた男の物語。これは 2004.4講談社\1,890 「乱歩賞作家 赤の謎」で読んだ時からお気に入りの作品。 とあるサプライズが、登山小説でありながらミス…

ダン・ブラウン「デセプション・ポイント」

デセプション・ポイント2005.4角川書店\1,890 デセプション・ポイント2005.4角川書店\1,890 次期大統領の座を狙うセクストン上院議員の 一人娘・レイチェルは、現職大統領ハーニーの勅命を受け 北極に飛び、世紀の発見を目にする。ところが、ある疑問を 抱い…

村上春樹「ふしぎな図書館」

2005.1講談社\1,500 「ぼく」は図書館で羊男に出会う… 素敵なカラーイラスト付きでおくられる物悲しいストーリー。 箱入りの装丁、その薄さから絵本なのか?と思ったけれど、 約100ページのイラスト+文章であった。 少年が図書館の奥で罠にかかってしま…