読書日記PNU屋

読書の記録

小島正美「誤解だらけの「危ない話」」

誤解だらけの「危ない話」―食品添加物、遺伝子組み換え、BSEから電磁波まで誤解だらけの「危ない話
小島 正美

エネルギーフォーラム 2008-09
asin:4885553520

Amazonで詳しく見る

 マスコミ報道の在り方を説くノンフィクション。遺伝子組み換え作物の安全性やBSEなどのヒステリックな報道を批判し、メディアの理想形を語る書。
 意義深い内容もあるんだが、タイトルがよくないと思う。
 このタイトルで著者の経歴が新聞記者というので、取材からわかった食の常識を読者にわかりやすく解説してくれる本だと思ったのね、私は。
 そしたら本書は新聞記者が陥りやすい思考の罠とか、不正確な記事を鵜呑みにすべきでないとか、メディアリテラシーがメインだったんだな。
 しかも、安全と言い切る著者の根拠が、海外で流通しているから&政府が安全と定めているから。前者はともかく、後者は納得できないんですけど。 今までマスコミが食品のマイナス面を喧伝してきたから、このくらい擁護してバランスをとっているのかしら。
 有益な情報もあるのだが、釈然としない本であった。