米澤穂信「儚い羊たちの祝宴」
儚い羊たちの祝宴 米澤 穂信 新潮社 2008-11 asin:4103014725 Amazonで詳しく見る |
旧家の後継ぎと使用人にまつわる、レトロでダークな殺人事件を描く連作集。
全ての物語をつなぐのは『バベルの会』という、夢想家な良家の子女が集う読書クラブである。
狂気に振れたニ編はあまり好みではないが、印象の鮮やかに覆る「北の館の罪人」、異様な家の呪縛が凄まじい「玉野五十鈴の誉れ」、そして、ラストにふさわしい幻想的かつ猟奇的な表題作は面白かった。