読書日記PNU屋

読書の記録

アラシ千客万来なので消した記事のミラー

(この記事は、メインブログhttp://pnupnu.jugem.cc/より消した記事の転載および追記である)
某「IKKI」連載中の漫画の感想をうっかり無邪気にアップしたために、それから三年間匿名のからかいに苦しむことになった顛末記。



↓2005.2.12にupした記事↓
鬼頭莫宏「ぼくらの」の話をしていたところ、漫画読みの知人から
「『ぼくらの』の設定はジョージ秋山の’70年代の漫画『ザ・ムーン』にそっくりではないか」
との指摘を受けたため、至急小学館文庫で出ていたジョージ秋山「ザ・ムーン」全4巻を購入して確認してみた。
すると…(以下ネタバレ含む)
指摘通りに、多くの類似点が見つかったのである。


子供たちがいなければ動かないロボットという設定
「ぼくらの」では一人ひとりが操縦するのだが、なぜか操縦時は関係した子供全員が呼び出されるシステム。
「ザ・ムーン」では9人がそろわないと発動しないことになっている。
「ぼくらの」では一人分の生命エネルギー、「ザ・ムーン」では脳波でロボットが動く。
「ぼくらの」は内部に搭乗する形式、「ザ・ムーン」では人間は搭乗出来ず手に乗せてもらうくらいだが、“ロボットはたいてい子供が動かす”というセオリーを差し引いても両者はやはり似ていると言えるだろう。
操縦者である子供一人ひとりに対応し、ランプが付くロボットにつく灯りの設定は、確かにそっくり。
「ぼくらの」では死ぬと消え、「ザ・ムーン」では脳波が届いているときのみ付く仕様のようだ。


子供たちをサポートする者の存在「ぼくらの」では『コエムシ』なる敵か味方かも判然としない人間形ですらない何かが子供たちを監視している。
一方の「ザ・ムーン」では『糞虫』(クソムシ)なる、忍らしき存在が主(ザ・ムーンの所有者)の命を受けて子供たちを命がけで守護する。
『コエムシ』(=『肥虫』?)と『糞虫』。
また、ロボットの名が『ジアース』(地球)と『ザ・ムーン(月)』と露骨な呼応関係を見せることからしても、これは「ぼくらの」の作者である鬼頭莫宏が意識的に、確信犯的に「ザ・ムーン」へのオマージュをやっているのだと推測される。
おそらくわかる人にだけわかるように仕組んだネーミングなのであろう。「ザ・ムーン」を読んでいなければわからないのだから。


もちろん設定は酷似しているが、「ぼくらの」のエピソードはむしろ(前作「なるたる」に続いてであるが)「新世紀エヴァンゲリオン」に近いところがあり、子供ひとりひとりのヒストリーや内面に気を配って今時の漫画らしいといえばらしいのだ。
女性キャラが『カテイカ』ひとりだった「ザ・ムーン」に対し、過半数を占めるほどに女性が多いのも「ぼくらの」の特徴だ。

思うに(手塚治虫「地上最大のロボット」が大好きだった浦沢直樹が「PLUTO」としてリメイク・新生させたように)、鬼頭氏も、ふっつり切れるようにラストを迎えた「ザ・ムーン」のファンであり、自分アレンジで描き直したくて「ぼくらの」を執筆されておられるのではないだろうか。

これだけ物語が氾濫する世の中であるから、どっかで読んだようなストーリーが横溢するのも仕方ないとも言える。両作の類似が偶然の一致でないと思われる根拠は上に記した。似ていても、新たな地平を切り開くのであれば赦されるであろうし、ネタとした旧作を超えることが出来ないのならただの猿真似、パロディと言わざるを得ないだろう。
何はともあれ、単なるパクリで終わるのか、それとも設定は似ていても新しい作品となるかはどうかは「ぼくらの」のラストで決まるだろう。願わくは、真似に終わってほしくないものだが。

『注』〜重要〜
ジョージ秋山「ザ・ムーン」と、そのオマージュ作品(だと思われる)「ぼくらの」で検索してこられる方が多いので、追記を書くことにした。要旨は三つ、

「ぼくらの」にも「ザ・ムーン」にももう興味ない

●この記事にコメントされてもお返事いたしません

●「ザ・ムーン」は中古ならまだ買えます

 きわめて個人的な好き嫌いから、私は「ぼくらの」を読むことをやめた。単行本ももうブックオフに売ってしまったので手元にないし、そもそも三巻までしか読んでいない。最初はバトルアクション漫画として期待していたが、私が期待したストーリーではないので読むのをやめたのだ。ノベライズやアニメ化もされたが、「ぼくらの」にもう興味がなくなったので読んでいないし、読む予定もない。

 また、「ザ・ムーン」は私の本ではなく相方の本である。相方にすすめられて読んだだけであり、私の人生ベスト10に入る漫画ではないし、ベスト100に入るかどうかも怪しいかと思う。要するに、途中までは面白いが結末がアレな漫画だということだ。それにはいろいろ執筆時の事情などがあるのだろうが、少なくとも私はさほど好きではない。「ザ・ムーン」は文庫化されたのちまたも入手困難になっているようだが、amazonマーケットプレイス(クレカを持っていれば買える中古フリマ)で300〜5000円くらいでそろえることができる(2008.8月現在)。興味のある向きはそちらで入手されたらよいのではなかろうか。 お金をかけたくないのであれば、ネタバレ含むウィキペディアであらすじ等をネットで見ることができる。

 残しておいたコメントは別として、この件ではちょっと眉をひそめるようなコメントが多く(削除済)、げんなりしてしまったのだ。この記事は2008年8月に編集しているが、最初にUPしたのは2005年2月である。当初は気になったのだとしても、3年もゆうにたてばそのときの気持ちは薄れているし、忘れることだってたくさんある。今この記事を読んだ人から、昨日のことのようにコメントをいただいても、すっかり忘却し興味も失った私としては答えようがない。

 漫画レビュアーとしてプロのライター活動をしているならまだしも、単なる一個人の感想ブログ(漫画感想も今やはてなダイアリーに移行して、ここは過去ログ置き場兼日常の雑記所である)なのであるから、特に責められるべきこともないと思うが、どうか。そういうわけで、「ぼくらの」と「ザ・ムーン」については今現在関心がある方同士でお話なさるのがよいのじゃないかと思う。


…と以前は書いたのだが、
この記事を削除することにした経緯については続きに。
こっからは記事に来たコメント

突然すみません。
恐らく意識的にオマージュしているのは間違いありません。
一巻の帯はジョージ秋山氏が書いていますし、何より作中マキが名づけるシーンで彼女がインスパイアされた読んだことがあるという漫画は、後の彼女が読了した後のセリフからもザ・ムーンにほぼ間違いがないです。
ココから(つまりオマージュしてますと告白してるに等しい状況から)どう展開させるのかが、非常に楽しみな作品ですね。
エヴァの時に原点のヒトツとしてザ・ムーンは紹介されまくっていたので、認知度も高いでしょうし。
2005/03/07 7:38 PM by匿名

コメントありがとうございます!
エヴァブームにすっかり乗り遅れてしまい(見ていない…)、周辺事情にも疎いものですからご指摘ありがたいです。マキのシーンはすっかり忘れてました(汗
なるほどそうですね。
バジリスク」や「PLUTO」など話題作となるものが小説のコミック化であったりでオマージュであったりするのはちょっと残念だなぁ…と思っていますが、似ていること=価値が低いことでもないだろうと思いますので、鬼頭氏のストーリーテラーとしての手腕に期待したいところです。
2005/03/07 10:20 PM by PNU

いえいえ。
拙い知識ですが、ぼくらのを読む楽しみの一助となったのなら幸いです。
2005/03/08 9:25 PM by匿名

かなりネタバレ発言だが、搭乗者数ではなく、契約者数の残りの数。(ジ・アースに誰も載っていなくても、ずっと光が着いている事から「ムーン」とは微妙に違う。)
コエムシが強制的に、契約者を連れてくるのは、この戦いの趣旨(次元をエネルギーに変換し吸い取ること(←はコエムシも知らなかったようだ)を悟られないための用意周到な演技。(実際に暴露している)
操縦者については、騙しやすいと言う意味で、たまたま子供だったということ(実際、敵操縦者に大人が居たこともあった。)
自分たちの次元と相手の次元をかけての戦いという設定なので、世界観はムーンより広く複雑。
「ムーン」微妙に似ている部分があるだけで言うほど近くもない。(とゎいえ、発想の裏にムーンが無いとも言い切れない…)
以上が、此処の発言を見て、思ったこと。
小説版は見ていないが、↑とあまり変わらないと思われる。
2008/02/09 9:31 PM by アニメ版 ぼくらの…を見た人

はじめまして。「ぼくらの」は実は、古書店に売ってしまったのでした。
アニメになっていたですね。
2008/02/10 5:25 PM by PNU

お初。
鬼頭先生お墨付きの小説版「ぼくらの」で、ついにz…
げふんげふん。
詳しくは「ぼくらの-alternative-」全5巻をお読み下さい。
2008/06/18 6:22 PM by ウシロ萌えな人

ぼくらのはエヴァンゲリオンのパクりだろwwwwwwwwwwwww
これほど見ていてチャンネルを変えたくなったアニメは初めてだwwww
時間を無駄にしやがって
あの使徒モドきはヒドいwwwwwwwwwwwwwww
2008/08/24 9:43 PM by 逆再生


ココマデ。上記のコメントは、アラシを削除済のものである。

 本来は、この記事は一応どっか漫画系サイトなどからリンクされてるっぽいしそのままにしとこうと思ったのな。でも、

「自分で書いたことに対して意見されそれから逃げるんなら公的に発言しなければ良いかと2008/10/04 11:39 AM by あ」

 こーゆーウザいコメが多いから、記事ごと消したったわ!!!該当コメントも、消したけどな。

 だーかーらっ、人気ブログランキングにも参加してねえ個人ブログになんで粘着してんだYO、って話なのな。

 意見って言うけどさー、こんなん意見じゃねーじゃん。アラシじゃん。

「意見」っつーなら、せめて個人ならメルアドかブログorサイトのアドレスくらい明記しとけや。

無記名でもきちんと論旨の通った、言葉遣いが丁寧なコメなら答えてるわ。
そうではないから返事をしないのだよ。ワカル?

「ぼくらの」は興味なくなったんで中古に売ったし、もう何年も読んでないっつーの。ファン同士かアンチ同士で語りあえばよいじゃんかー。なんでもう読んでいない私のところに来るんだよ!そんなに感想少ないのかこの漫画わ!

私のスタンスは、今やファンでもアンチでもなく無関心なんだよ。この漫画に。

 漫画プロレビュアーでもないのに、興味もなくなった漫画のイチ感想に、しかも3年以上前の記事にこういうコメントがつき続けるんだよ。面倒だったらありゃしない。コメ欄閉じるのも逃げなんすかね?ブログを公開するってことは、売られた討論(つうか、それ以下の単なるアラシ)も全部買えってことになるのか?

違うだろ。

 あー感嘆符なんかを名前にしてる香具師に盛大に釣られてみたわー。
「まあ、ボクチン(って男かどうか知らねえけど)、そんなにオバチャンにかまってほしいのね、うふっ」
とかコメントしてやろうかと思いましたけどそれも大人げないのでねー。
 こんなのが日々来るんじゃやってられんので消しました〜、「ぼくらの」の話題、終わりっ。