読書日記PNU屋

読書の記録

スケバン刑事 コードネーム麻宮サキ

スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ 通常版スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ
和田慎二

東映 2007-04-21
asin:B000L438HC

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私は筋金入りの原作原理主義で(でも後年描かれた「スケバン刑事if」すら初期イメージを壊したくないから見ていない)、TVドラマ版は低予算ぶりに泣けたが比較的原作に忠実だったシリーズ1のみコンプリート、2は時々見て3は挫折した程度のファンだ。なのになぜ映画DVDを見たのかというと、某所で本作に関する面白いレビューを読んで興味を持ったからである。実写化にあまり期待していなかったせいもあるが、映画として本作が成功しているとは思わなかった。
 この現代に死語である『スケバン』を冠することの難しさには同情する。そのため、映画も学校裏サイトくさいイジメられっ子専用アングラサイトを持ち出したり、ヒロインにケータイを持たせたり、派手な爆発・爆死を演出してなんとかしようとしているのだが、原作ファンには原作のイメージのかけらすらない、全く関係のないヌルい展開がキツいし、アイドルファンにはシリアスに過ぎてあまり見るべきところがないのではないか。
〜ネタバレはたたむ〜



 脚本のダルさが原因ではないかと疑っているのだが、展開が遅い。タイムリミットサスペンスなのに、全く緊張感がない。なぜだ?
 アクションシーンも、マトリックスもどきにヨーヨーを止めてスローで見せるので緊迫感もスピードもない。
 そしてアイドルだから仕方ないとも言えるが、ヒロインがガチガチ。唯一の好演は、悪役の石川梨華だろうか。
 アクション映画には致命的なテンポのもたつきが見ていて眠くなるほど。結局、何がしたいのかよくわからない映画であった。