毎日新聞医療問題取材班「医療事故がとまらない」
医療事故がとまらない 毎日新聞医療問題取材班 集英社 2003-12 asin:4087202232 Amazonで詳しく見る |
医療過誤はなぜ繰り返されるのか?新聞記者の目から日本の医療が抱える問題点をさぐる新書。もちろん本書の内容がすべての医師や病院に当てはまるわけではない。
医局の権力集中構造と隠蔽の構図、医療ミスリピーター開業医を中心に取材した記録である。驚いた。あきれるほどひどい医療ミスのオンパレードなのである。気管切開しようとして、頸動脈を切断し出血多量で死なせるなど、過失致死というよりもはや殺人としか思えない。そういうミスをした医者の再研修・再教育システムも整備されていないと…。日本もいずれ、欧米諸国のように医師の適性審査システムが導入されるのであろうが、それまでは患者個々が自分のカラダのことを勉強して身を守り、危ない病院を回避していくしかないのだろう。2003年発行の古い本だが、内容は過去のことではないのが恐ろしいところである。
本書が医療の暗黒面の一部を切り取った点は評価したい。