笹本稜平「許さざる者」
許さざる者 笹本 稜平 幻冬舎 2007-12 asin:4344014359 Amazonで詳しく見る |
六年前に自殺したと聞いていた兄は他殺だったかもしれない。兄を殺したのは父なのか?弟は調査を始めるが。
兄弟の絆と親への不審を軸に展開するサスペンス。ひとつひとつの絡繰りや道具立てに目新しさはないが、主人公の朴訥さが魅力となって飽きずに読める。
ラストはやや都合がよく、急ぎ足なのが残念。なぜ六年後なのかも腑に落ちず、カタルシスはあまりないかも。
p.s.法医学マニアでなければ読み飛ばすことだろうが、溺死か否かの判断は、鼻孔からの泡沫で一目でつくような気がするが…。