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読書の記録

田中啓文・ほか「ハナシをノベル!! 花見の巻」

ハナシをノベル!! 花見の巻ハナシをノベル!! 花見の巻
田中 啓文 月亭 八天

講談社 2007-11-13
asin:4062143968

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 小説家が新作落語を書き、噺家がそれを下敷きに語るイベントから生まれた書。月亭八天ライブCDつきである。

 自分が惹かれたのは北野勇作「寄席の階段」。いかにも落語らしい印象の、王道直球なストーリーなのだがユーモラスかつキュートな一品。
 あと救いはないが個々のエピソードが興味深い牧野修「百物語」、ベタだが人情味溢れる飯野文彦「戯作者の恋」も良かった。

 CDは落語をきちんと聴いたことのない自分にとって、初落語体験となった。当然のことかもしれないが、ひとりで何人もの役を演じ分けられるところに衝撃を受けた。CDゆえ音だけだったけれど、映像があればもっとすごいのだろうなあ。