辻村深月「名前探しの放課後」
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あの子の自殺を止めなくては。高校生のいつかは人を救うことを決意する。青春ミステリー。
人の想いが呼んだ不思議な世界で、死んでしまうあの人が誰かを探す…その設定は著者のデビュー作「冷たい校舎の時は止まる」を連想するが、これがもう既にミスリード。
数々の疑問点はそういうことだったのかと、ラストではたと気付く、そこまでがストレスフル(#)だったが読み終えてみれば甘苦くもせつない青春&友情ストーリーなのだった。
「スロウハイツの神様」のチヨダコーキの本が作中に出てきたり、どうやらあの作品から何人かが出たりとか作品の枠を超えてキャラクターがつながりあっているらしい。既刊を読んだファンならば、さらに新たなサプライズを得るだろう。既読にもかかわらず、ちっとも覚えていない私のような記憶薄弱者は別として。
(#)どうも腑に落ちないところが多々あって、それはいったいどういうことよと思いながら読むのがストレスフルな読書状態。ジェフリー・ディーヴァー「石の猿」などが当てはまる。【ドンデン返し】のために、わざと歪めた部分(あからさまな伏線??)があるので気分がモヤモヤするということ。疑問点→イ××はこんな方法じゃ解決するわけないでしょ?とか。
p.s.ギャルタイプのヒロインはやめたのだねー。そっちのが好みだ。