加藤実秋「モップガール」
モップガール 加藤 実秋 小学館 2007-09-14 asin:4093861927 Amazonで詳しく見る |
フリーターの桃子が訪ねた清掃会社はちょっと特殊なおそうじを受けもっていた。超能力サスペンス。
軽快なキャラ作りの巧い「インディゴの夜」の著者だから期待したのだけど(本書はホストシリーズではない)、ドラマとメディアミックス縛りのせいかなんなのか、あまり設定を生かしているとは思えなかった。
まず、ドラマならともかくきちんとした小説として見たとき、アリエナイことが多すぎる。初心者をいきなり研修すらなく現場派遣だとか、都合のよい警官の知り合いだとか。
おまけに掃除より、ヒロインの超能力がメインになっていくのだから、読む前の予想と違う展開に戸惑いを覚えた。サブタイトルに『心霊少女の自分探し』って入れといてほしい。
半端にシリアスにするより、はっちゃけたコメディにしていただいた方が、リアリティなくて割り切れたかも。
p.s.特殊清掃についての創作ならば、きたがわ翔の漫画「デス・スウィーパー」(1)の方が詳しくてよかったかも。「遺品整理屋は見た!」では企業秘密になっていた、バスタブのお掃除方法もこの漫画には惜しげなくきっちり載っているし。