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読書の記録

古川日出男「ゴッドスター」

ゴッドスターゴッドスター
古川 日出男

新潮社 2007-11
asin:4103060719

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 妊娠していた姉を事故で失ったヒロインは、街で子供を拾う。アウトローテイストの実験小説。

 今から文句を言うので古川ファンは見ない方がいいじゃないかな。

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終わった。私の中でフルカワヒデオが。「サウンドトラック」で流れる文体とクールな世界観に痺れてから、短いファン歴だったな。
色濃かった村上春樹っぽさは消えた、だが大切なものも春樹テイストと共に消えてしまったように思う。

本作は未成年リャクシュユウカイの話である。ブンガクなんだからしょっぱいこと言うなよって感じだが、どう見ても。
街で記憶障害のある子供を拾う。子供を拾ったヒロインは新聞で事件をチェックする。善良な市民ならば警察に迷子を保護してるって連絡することだと思うんだが、ヒロインはなぜかそうしない。ストーリーが進行するにつれ、子供のママはアレなことになっていたらしく、結果オーライだとわかるのだが、それにしてもそれってどうなのよ。
 日常からの逸脱と解放がテーマなのかもしれないが、ヒロインの思考が切れ切れで散漫な語り…これ、あとがきによれば××点を使わない文体実験みたいだが、一体何の効果があるのだ?くどくて読みにくいのだが…のせいか、全く共感出来ずに終わった。