森福都「楽昌珠」
楽昌珠 森福 都 講談社 2007-10-25 asin:4062143461 Amazonで詳しく見る |
二郎、七娘、小妹の幼なじみ三人は、不思議な獣に導かれて桃林に行き着く。そこで眠ると、リアルな別世界で別人として人生を送ることが出来るのだった。
中国時代幻想譚、三編を収録。
夢の中で別世界へ行き、別人として生きられるというのは古典からSFまで先例があるけれど、本作はニ編目までは最高に面白い。
ラストがしまらないのは桃林の秘密が明かされぬこと、そしてラスト主役になった小妹が、綺麗でいい子なだけで人間的魅力に乏しいせいかもしれない。いずれにせよ、ラストで桃林の世界が明かされぬことは、そこまで楽しんだこともあってかなりのハートブレイクだった。